「け・景吾たん・・・。」
・・・。」
見詰め合う二人。
の瞳には、目の淵に溜まった涙。


の事・・忘れないでね・・・?」
「あぁ。」
は景吾の事絶対忘れないから・・・。」
「当たり前だ。」
「ふぇ〜ん、景吾たんと離れたく無ーーーーい。」
「泣くな。俺もお前と離れたく無い。」
「酷いよ大人って・・・。大人の都合で何で景吾たんと離ればなれにならないといけないの?」
お互いをキツク抱きしめ合う二人。


「オィそこの馬鹿ップル。」
「やめとき宍戸。2人は今違う世界の中や・・・。」
「だってよぉ、たかだかクラスが離れたぐらいで一生の別れかってぇーの。しかも、離れたってもよ隣のクラスだぜ?」
ちなみに今日は始業式です。
「諦めぇ・・・気にしてたらキリがないやんけ。」
「だけどよぉ・・・。忍足・・・お前クラス分け見たか?」
「いや、まだやけど?」

無言で掲示板を指す宍戸。
指された方に視線を向ける忍足。

「「・・・・・ハァ。」」

「何や急に頭が痛ーなってきた・・・。」
「まだ一緒のクラスの方がマシだったのにな・・・。」
「・・・そうやな。お互い苦労するな、宍戸。」
「あぁ。」

宍戸は跡部と一緒のクラス。
忍足はと一緒のクラス。
先が思い遣られる2人であった・・・。


「景吾た〜〜〜ん。」
ーーーーーー。」
周りを気にせず今だやり続けている二人。


「オィ、いい加減にしろよ!そこの馬鹿ップル!!」
「ハイハイ、お2人さん鐘がなるで。」
手をパンパン叩きながら二人の間に入り引き剥がす忍足。


「酷いオッシー。」
「何が酷いんや、はようせんと遅刻になってまうよ?」
「ハッ、もしかして・・・オッシーの陰謀!!」
「・・・何がや?」
「私と景吾たんを引き離したのオッシーでしょう!!」
「何でそうなるんや!」
「だって現にこうやって、私と景吾たんを引き離そうとしてるぅ〜。」
「アホか・・・。」
「ア!!」
「何?」
「駄目!!駄目駄目駄目だよ!!オッシーーーー。」
首をすごい勢いで左右に振る
「だから何が?」
「景吾たんは、私のだから・・・好きになっちゃ駄目なの!!」
「・・・どっからそういう発想になるんや・・・?」
「だから引き離そうとしてるんでしょう!!」
忍足の話を聞いちゃいない
「そりゃ〜景吾たんは、頭良くて格好よくてスポーツ万能で色気があって・・・・。」
指を一つづつ折り曲げ数えていく

景吾のいい所v〜は、5分を超えた。
「もうええで・・・跡部自慢は・・・。」
さすがに忍足もちょっとゲンナリ・・・。
「えぇ〜、まだまだこれからなのにぃ〜。」
どれだけの跡部自慢が懐にあると言うのか・・・。
「だからは、景吾たんがだーーーい好きなのv。」
って、オィオィ話の旨趣が変ってます。
やっぱりアホの子です。
「そりゃ良かったな。」
「うん!」
の頭を撫で×2する忍足。

「・・・・・。」
殺気!!
「おい、誰の許可を取ってに触れてるんだ。ア〜ン?」

しもうた・・・。
ついつい、アホの子が可愛く素直に頷いたのが小動物を彷彿とさせて撫でてしもうた・・・。

「あ〜ついつい可愛らしくてな・・・。」
が可愛いのなんか、生まれた時から当たり前で知ってるんだよ!」
「そやな・・・すまんな。」

「やだぁ景吾たんたらvそう言う景吾たんこそ生まれた時から格好よくて、はいつでもメロメロv」
「何言ってるんだよ、俺の方がお前にメロメロだ。」
跡部の怒りが逸れた事にホッとする忍足。
「景吾た〜ん。」
ー。」
抱き。
「景吾たん。」
「何だ?」
「呼んでみただけぇ〜、えへへ。」
「そうか、。」
「ん?」
小首を傾げて景吾を見上げる

チュ。

「始まった・・・。」
呟く宍戸。

「あかん・・・。」
呟く忍足。

もはやこうなったら手が付けられない。
二人の気が済むまでやりおえないと・・・。

以前果敢にも周囲の目が合った為にテニス部レギュラーは、止めようとした。
一度ならず何度も挑戦した。
したのだが、だが、しかし・・・。
止めた後の跡部の報復はすごかった・・・。
それはありえない程に世にも恐ろしい・・・。
思い出すだけで震えが止まらない。
それ以来、我が身大事・命大事の彼らは、終わるまで大人しくまっているしかなかった。

二人の抱擁は今だ続く。
軽いバードキッスが、濃厚なディープへと。
左手はの腰に、右手は厭らしくヒップを撫でる。
は景吾の首に腕を回し「んっ。」と色っぽい声を出しながら。
学業を学ぶ学校、しかも昇降口でこんな事をしていていいのか!?
2・3年生はもはや慣れているのかあまり気にしていない者達も多いが、今日は忘れてはならない始業式。
しかも春と来れば入学式。
小学生あがりのお子様達には、さぞ刺激が強すぎる事だろう。
現に顔を真っ赤にしたり、鼻血を出したり様々である。
しかも、保護者もいらっしゃる訳で・・・。
が、そんなもの景吾は怖く無い訳で・・・。
誰も止められない。













それから二人の気が済んだのが15分後。
当然鐘はとうに鳴っていた訳であるが、そんなもの気にする2人では無い。
はアホの申し子で、そこまで頭が回らない。
方や景吾は、俺様がルールだ的思考の持ち主。
入学式は景吾が体育館に入ってから始められた。




「俺これから一年、先の事を思うと胃が痛くなってくるぜ。」
「・・・ほんまやな。」
「「ハァ・・・。」」
二人して項垂れて溜息をつく。

「「お互い頑張ろうぜ(や)。」」