人を好きになるって何でこんなに苦しいの・・・?
今まで恋をした事が無い訳じゃ無い。
でも初めてなの・・・。
こんなに胸が苦しくなるのは。
切なくて胸が締め付けられて、ドキドキして。
確かに今まで恋をした時に、胸がドキドキする事はあったけど。
胸が締め付けれれる程ドキドキして、切なくて・・・って事は無かった。
何で切ないかは、分かるの。
だって報われない恋だから・・・。
だってその人は学校のアイドルだから。
だから胸が締め付けられる程苦しいの。
好きすぎて、でもどうする事も出来ない。
叶う相手じゃないから・・・。
私は取り立て目立つ子では無いし、積極的な訳でもないから。
いつも遠くから彼を見ている。
本当に涙が出るほど切なくて。
この思いを昇華出来ない私は愚か。
伝えれば少しは気持ちが軽くなるかもしれないけど。
でもやっぱり叶わない相手に無謀にも行けるほど勇気ない。
最初は彼を見れるだけで満足だった。
3年になってのクラス替えで、一緒のクラスになれた時なんて顔がにやけちゃって友達に奇妙な顔をされたっけ。
この気持ちは私以外知る人は居ない。
言ってもいいとは思うけど、馬鹿にされそうじゃない?
無理無理って言われそうじゃない。
解ってるの。
自分には釣り合わない人だって事。
だから、人から言われたく無いじゃない。
私は、普段の彼を好きになった人と一緒にされたくないの。
本当に本当に偶然に休日、彼を見かけたの。
良く晴れた日だった。
私は、予定が無い時はいろんな所をフラフラと当ても無く散歩をするのが好きで。
大きくは無いけれど緑の生い茂る公園を散歩してたの。
そこの公園はちゃんとマナーを守れば、犬を散歩させてもいい公園で。
あぁ天気いいなぁ〜とか思いながら空を見上げながら歩いてたの。
楽しそうな笑い声と犬の吠える声が聞こえて。
何気なしにそっちの方に視線を向けてみたら・・・、彼が・・・跡部景吾君が居たの・・・。
普段学校で見せてる彼の笑い顔じゃなかった。
本当に楽しそうに嬉しそうに笑ってた。
いつも見せる皮肉ったらし笑い顔じゃなくて。
優しい笑顔だった。
その瞬間恋に落ちてたの。
なんていい笑顔するんだろうって。
こっちまで笑顔になってしまう素敵な笑顔だった。
もしかしたら彼と仲の良いテニス部レギュラー達は、そんな彼の笑顔をしょっちゅう見ているのかも知れないけど。
普段そんな顔を見たことが無かった私には衝撃的出来事だった。
冬の寒空のした天気は良かったけど、寒かった私の身体は全身熱くなった。
胸の鼓動が早くなって、このままじゃ倒れるんじゃないかと思ったぐらい。
その時はまだ、一緒のクラスになった事がなかったから彼は私の事は多分知らないとは思ったけど。
でもその場に居てちゃいけない気がして、ハッと我に返った瞬間身体は逆方向に向けて早歩きでその場を去った。
それから彼の事をずっと見てた。
またあの笑顔が見られたらいいなと思いながら。
でもやっぱりあの時見た笑顔は、それ以降見てない。
偶然と奇跡が起きない限りはもう二度と見れないんだろうけど。
最近日に日に胸の苦しさが募るばかり。
どうしたらこの思いを昇華する事が出来ますか?
空はこんなに青々しく清々しいのに。
私の気持ちは曇り時々雨模様。
中庭の木々が生い茂る穴場的スポット。
前々からたまに来ていたけど、最近来る機械が増えた。
彼を見つめていたいけど、日増しに強くなるこの思いを抱えたまま一緒の空間に居ると呼吸困難を起こしそうな気がして。
短い休み時間には無理だけども、雨の降っていない日以外の昼休みはここに来るようになった。
そこで知り合った人が一人。
跡部君と同じ部活の芥川慈朗事、ジローちゃん。
クラスは今までに一度も一緒になった事は無いけど。
この場所で頻度に会うようになって仲良くなった。
彼は不思議な空気を持つ人で、彼と一緒に居ることで安らぎを貰うと言うか安心する。
私があまり人の注目を浴びたくない事も解っているらしく、校舎内で会っても話しかけてくる事は無い。
かと言ってこの穴場スポットに居てもそんなに沢山会話をする訳でもないけど。
だって彼は殆ど寝てばかりだから。
だけど時たま何かのスイッチが入ったかの様に、覚醒してはいっぱいおしゃべりをする時がある。
それは他愛も無い話だったりもするけど、部活の話とかが多くて私はドキドキしながら話を聞くの。
だってそれは、近くで見る事の出来ない私の知らない跡部君の話が聞けるから。
それは他の女の子達も知っている話かもしれない。
でも近づく事の出来ない私にはとても大切な大切な情報源。
ジローちゃんと仲良くなったのは、彼を好きになるちょっと前。
だから最初はテニス部ってそうなんだって、ぐらいにしか会話の内容を聞いてなかった。
でもね、彼の事を好きになってから部活の話をされる度にドキドキ。
話を聞き逃さない様に耳を精一杯傾けて聞いてた。
多分顔は、いつもどおりしてた筈・・・。
彼と一緒の空間に居れない分、ジローちゃんが話す話の中で彼を感じる事が最近の唯一の楽しみ。
そういった部分でしか彼の事を知ると言うか感じる事が出来ない。
本当はこんなんじゃいけないと思う。
折角一緒のクラスになれたんだから、話しかけるぐらいすればいいとは思うけど・・・。
『おはよう』とかそんな何の変哲も無い会話だけでもすればいいと思う。
でもそんな何も変哲も無い会話も出来ない程、私には勇気も度胸も無い。
そしてウジウジと諦めることも出来ない。
どうしたら気持ちに整理がつくのかな・・・?
このまま、何の出来事も無く中学生活が終わって高等部進学が来るんだろうな。
クラスが多い中、奇跡的にも今年は一緒のクラスになる事が出来たけども。
これから先、進学をしても一緒のクラスになれる事なんて、神様が気まぐれを起こしてくれない限りありえない。
しゃべらないまま、一年が過ぎてゆくと思ってた。
でもそれはある日突然、本当に突然起きた。
PPPPP…、PPPPP…
「ジローちゃん、ジローちゃん携帯鳴ってるよ?」
睡眠中のジローちゃんに電話がかかってきた。
声を掛けても、ゆすっても一向に起きる気配が無い。
まさかジローちゃんの携帯に私が出る訳にもいかないし。
アタフタとしている間に携帯は切れた。
「あーあ、切れちゃった・・・。」
でも、まぁ、用事があればまた掛かってくるだろうと思った。
私も寝転がろうとして、足を伸ばし背伸びをして大きな口で欠伸をした途端。
植木を掻き分けて現れた人物が居た。
不覚にも大きな口をあんぐりと開けたまま、ありえない登場人物に対して目を見開いて凝視してしまった。
「でけぇー口。」
彼はそう言うとあの時、公園で見かけた様な笑顔を私に向けて笑ってくれた。
「あ・跡部君・・・。」
相変わらず目は見開いたまま・・・。
本当の本当に吃驚したんだもの。
何で跡部君がこんな所へ・・・?って、よく考えればジローちゃんに用があるんだっなって思った。
自分の馬鹿面を見られた事なんて忘れてて、でも近くで跡部君の笑顔を見れてラッキーって。
あぁ、あの時の私が見たかった笑顔が見れてとても嬉しかった。
「、お前ジローと知り合いなのか?」
「えっ・・・私の事知ってるの?」
「何言ってんだお前?当たり前だろう。」
『クラスメートなんだから・・・』って。
だって、跡部君は興味の無い人の事何て一々覚えている訳無いと思ってたから。
ましてや私は、どこにでも居る一般生徒。
「やっ、まぁ、そうですね・・・。」
思わずドモってしまった私に跡部君は怪訝な顔をした。
「何だお前俺がお前の事でも知らないとでも思ってたのか?」
「いや、あの、一緒のクラスでも跡部君は興味の無い事に関しては関心が無いものかと・・・思ってまして・・・。」
「それで、俺がお前の名前知らないとでも思ってたのか?」
「・・・ハイ。」
跡部君に呆れた顔をされてしまいました。
「確かに興味の無いものに関心は持たないにしろ、俺はクラスメートの名前ぐらいは覚えてる。 、趣味は散歩得意科目は国語苦手科目は数学。家族構成は父・母・弟・祖母の5人。部活は入ってないので帰宅部ですだっけか?」
ずらずらと私が新学期の自己紹介で述べた事を一通り言った事を跡部君はスラスラと言い出した。
驚いた。
凄い、これをクラス全員分覚えているのか・・・。
失礼な事を跡部君に言ってしまった。
「ごめんね・・・、でも凄いねー跡部君クラスメートの自己紹介までちゃんと全部覚えてるんだ。さすが学年トップ・・・。」
「フン、全員の自己紹介まで覚えてる訳ねぇーだろう?」
「えっ・・・それって」
『どういう意味?』って聞こうと思った時。
タイミングよくジローちゃんが目を覚ました。
「ふぁ〜ぁ、あーよく寝たー。・・・あれ?跡部?どうしたの?」
「携帯を鳴らしても、出ねぇーから直接来たんだよ。」
「んー何ぃー?」
「今日の部活はコート整備で休みだ。」
「え!マジ?マジ?嬉しいぃ〜。それよりもさー跡部珍しいねー。」
「何がだ?」
「だっていつもだったら樺地とかがさー伝言に来るのに。」
「偶には、気分転換で俺が来てやったんだよ。」
「ふ〜ん、・・・あっ!そっか跡部実はあい・ムグ。」
何故だか跡部君はちょっと焦ったようにジローちゃんの口を塞いだ。
そしてなにやら耳元でコショコショ話・・・。
『何を言おうとしてるんだ?』
『俺知ってるしぃ〜、跡部実はちゃん見に来たでしょうぉ〜?』
『なっ!』
『何で知ってるかって?だって跡部さー俺がちゃんの話をテニス部でしてる時さ興味なさそうな顔して実は聞き耳立ててるでしょうー。』
『・・・・・・・。』
『俺どういう訳か、人の恋愛感情には敏感だしぃ〜。』
『クソッ。』
何か跡部君の顔がどんどんと険しくなっていくみたい・・・。
ジローちゃんいったい何を言ってるんだろう・・・・?
『跡部もさー勇気だしてちゃんに話かけてみればいいのに。何で話かけないかなぁ。時には勇気も必要だよ?』
ポカッ。
『痛ぇ〜、何すんだよぉ、本当の事なのに・・・。』
『うるせぇ。』
段々と2人の雲行きが怪しくなってきた時、タイミングよく昼休みが終わる5分前のチャイムが鳴り響いた。
「あっ、教室戻らないと・・・。」
「チッ、教室戻るぞ。」
「ジローちゃん行こ?」
「俺、今日の午後はここで昼寝学習ぅ〜ZZZzzz・・・。」
「えっ、でもジロちゃん?」
「ほっとけ、ジローは一度寝ると中々起きねぇぞ。」
「そうだけど・・・。」
「いいから行くぞ。」
そう言うと跡部君は、さも何でも無いように私の腕を掴んで歩き出した。
いーやーどうしよう。
嬉しいけど、嬉しいけど・・・緊張する。
イヤイヤ、その前にこれを跡部君のファンに見られたらどうしょう?
「あ・あ・跡部君。」
「あぁ?」
「あの、て・手を・・・。」
「あ゛?・・あぁ、いいじゃねぇか。」
「いや、そのですね・・・。」
「何だよ、何か不都合具合でもあんのかよ。」
「人に見られたりしたら困るって言うか・・・困るんじゃないですか?」
「俺は別に・・・、何だ俺に触れられるのが嫌なのかよ!」
「ィェ、そんな事は・・・。」
「何だよハッキリ言えよ。お前、偶にジローに膝枕とかしてやってるんだろう?たかだか腕を掴んだぐらいで・・・。」
苦々しい顔をした跡部君。
ってか、ジローちゃんそんな事まで話してるの!?
彼氏でも無いのにそんな事するなんて、破廉恥な!って思われちゃってる?
軽い女だって思われちゃってる・・・?
跡部君にだけはそんな事思われたく無いな。
「ジローは良くて、俺じゃ駄目なのかよ・・・。」
「えっ・・・。」
「そんなに昼休み一緒に毎日過ごすぐらいジローが好きかよ!!」
掴んでいた手が離された。
跡部君のまっすぐと私を見つめる視線が突き刺さる。
「悪かったな、ジローとの貴重な昼休みを邪魔して。」
跡部君は、『今からでも遅くなねぇからジローの所に戻れば?』と。
そして校舎とは違う方向のテニス部の部室の方へと足を向けた。
その場に佇む私。
いったい何故急に跡部君が怒りだしたのかも理由がよく解らない。
その上、何か変な誤解をされたまま。
ジローちゃんの事は好きだよ?でもそれは友達として・・・。
私が本当に好きなのは・・・・貴方なのに。
その場で、放心状態のまま色々とゴチャゴチャ考えていたら、とうにの昔に5限目の授業は始まっていた。
今から教室に戻っても遅刻・・・。
先生に嫌味を言われるのも目に見えているので教室に戻る事も出来ない。
取りあえずはまた、ジローちゃんの所に戻る事にした。
ジローちゃんは相変わらず眠ったままの状態だった。
その横に人一人分空けて座った。
寝ているのは解るけど、聞いて欲しくてしゃべり始めた。
「ねぇ、ジローちゃん・・・何か跡部君急に怒っちゃって・・・私何かしたのかな?」
「ただ、掴まれてる腕を人に見られたりしたら変な噂が立っちゃうと思って・・・跡部君が困ると思って・・・放してほしくて・・・。」
「それに何か色々と跡部君誤解してるみたいだし・・・。」
何だか段々悲しくなって、声が震えてくる。
泣きたくないのに、瞳には薄っすらとぼやけがかった膜まで貼ってくる始末。
「私が好きなのは・・・跡部君なのに・・・。」
「今日、初めてまじかで見れて・・・私の大好きな笑顔が見れて・・・初めて話せて嬉しかったのに・・・・。」
「なのに・・跡部君怒らせちゃって・・・。」
「折角、少しは跡部君と仲良くなれるかと思ったのに・・・うっぅぅ。」
堪え切れずとうとう私の両目からは、ボロボロと涙が溢れてきた。
「ふぁ〜ぁ、跡部も馬鹿だな。」
「ジローちゃん!?お・起きてたの?」
「んー。」
大きな欠伸をして起き上がったジローちゃん。
「ちゃんもーちょびーっと馬鹿。」
「えっ?」
「2人して馬鹿だなー。」
ジローちゃんは眠たい目を擦りあげながらそんな事を言う。
「馬鹿・・・?」
「うん、馬鹿。ちゃんその場で否定すれば良かったし、もっと跡部と積極的に近づいてもいいと思うよ?」
「だって・・・そんな事出来ないよ・・・跡部君が急に怒りだした理由だって解らないし理由が解らないのに謝る事も出来ないし。頭が回らなかったって言うか・・・。
それに私、跡部君と一緒のクラスになったの今年が初めてだし・・・一緒のクラスになったからって何か親しく話しかけるような交流だって無いし。
・・・私勇気無いから・・・そうそうに跡部君に話しかける事出来ないし。」
「ん〜、兎に角まずは、誤解を解きに行こう?」
「えっ・・・。」
「でないとこのまま、この状況が悪化したままだしさ。もう話す事出来ないかもよ?」
「そんな・・・。」
「好きな人に誤解されたままって嫌でじゃん?それに跡部と仲良くなれる機会かもしれないしさ。」
「・・・ぅん。」
「何か乗り気じゃないねぇー。いいのこのままで?もう跡部と一緒のクラスに二度となれるか解らないんだよ?仲良くなれるチャンスないかもよ?それにさー好きな人に
印象悪いままって嫌じゃないの?」
「嫌・・・です。」
「だよねー?そうと決まれば跡部んとこ行くよ。」
『そうと決まれば即行動!!』と潔く立ち上がったジローちゃん。
『おー!』とそれに続いて私も勢いに任せて立ち上がった。
テニス部の方へと行こうとガサガサ植木を掻き分けて進もうとしたジローちゃんが声を上げた。
「あれ・・・?」
「どうしたの?ジローちゃん。」
ジローちゃんの後ろから覗き込むように除いたその先には・・・。
「あ・跡部君・・・。」
その場に蹲り耳を赤くした跡部君が居た。
「んー部室に行くまでもなかったね。」
と私の方を振り返り小首を傾げるジローちゃん。
「う・うん。」
ぶ、部室に居たんじゃなかったの?
な、何でここに居るの?
今までの話しもしかして・・・聞いてたの?
「じゃぁ、後は若者2人で。」
「えっ?」
何か訳の解んない事を言ったジローちゃんは、跡部君の傍に行くと同じ高さにしゃがみ込み耳元でコショコショと何か呟いて去って言った。
『全部聞いてたんでしょう?後は上手くやりないよぉー。』
ってか、この状態で取り残されても困るんですがー。
「「・ ・ ・ ・。」
き、気まずいです。
「あ、跡部君は何でここに・・・?」
「・・・・。」
「さっきは何か私怒らせちゃったみたいで、ごめんね?」
「・・・・。」
「何か気に障る様な事しちゃったんだよね?鈍いから解らなくて・・・私、何しちゃったんだろう?」
「・・・・・。」
「よければ・・・ってよくも無いですが、理由を教えて頂けるとありがたいな・・・って。」
「・・・・・・。」
えーん、何もしゃべってくれないよぉ。
どうしよう・・・。
耳まで赤くしてるって事はかなり怒ってるのかな?
さっきの会話全部聞いてたんだよね?・・・きっと。
私、風情が何跡部君の事好きとか言っちゃてるんだってきっと怒ってるんだ。
「うっぅぅ。」
駄目だぁ、涙が出てきちゃうよぉ。
我慢できない。
「うぇーん、ごめんなさーい。ごめんなさい、ごめんなさい。私ごときが跡部君好きで。自分の立場も弁えず好きになってごめんなさい。」
この場に居たたまれず、私はどこでもいいからここから逃げ出そうとした。
「待て。」
何ですか・・・?
今何が起きてますか?
「誰が、迷惑だって言った。」
「うぇ?」
「何だその中途半端な返事は。」
「あ、跡部君!」
「何だ?」
何だって何だ?
私、どうして跡部君に後ろから抱きしめられてるんでしょうか?
「お、怒ってるんじゃないの?」
「あぁ、怒ってる。」
「やっぱり・・・ごめんなさい・・・でもなら何で・・・。」
「あぁ?」
「何で私抱きしめられてるんですか?」
「あぁ、俺は別にお前が俺を好きで怒ってる訳じゃねぇーよ。」
「じゃぁ、何に対して怒ってるんですか・・・?」
「そんな事はどうでもいいじゃねぇーか。」
「よく無いです・・・今耳まで真っ赤にして怒ってたのに・・・。」
「・・・それは怒ってたからじゃねぇーよ。」
「はいぃ?」
「チッ、。」
「はい。(チッ?舌打ちビクビク)。」
「耳の穴よくかっぽじぃーて聞け。」
「はい・・・。」
「俺もお前が好きだ・・・。」
跡部君のそんな一言を聞いてまた号泣する私でした。
ちなみに、後々ジローちゃんに何故あの時跡部君の耳が赤かったのかっていうのと何故怒ったのかって言うのは・・・。
『跡部の耳が赤かったのは照れてたからで、跡部が怒ったのは俺に焼モチを焼いたから』
だそうです(照)。
そんな私は、今日もお昼休みあの穴場スポットに来てジローちゃんと一時のほほ〜んと過ごして居ます。
今はもう秋の訪れが近づいた季節。
緑の木々達も薄っすらと赤や黄色の葉を付け涼しい風を運んできます。
「おい。」
「あっ、景吾遅かったね。」
「遅かったねじゃねぇーよ。」
そう言うとすかさず私の膝の上で寝ていたジローちゃんを跳ね除けて、代わりに頭をのせる景吾。
「っいてぇー、もー折角気持ちよく寝てたのにぃー何すんだよぉー。」
「何すんだよじゃねぇーよ。てめぇは何度同じ事を言えば気が済むんだよ。人の彼女の膝の上で寝るなってよ!」
「ぷぅ、いいじゃんかよー」
「よくねぇーよ。」
「ちぇ、跡部のケチんぼ。」
「あ゛ぁ゛、何だって?」
肩肘付いてジローちゃんを睨み付ける景吾。
「わぁー跡部が怒ったー。逃げろー。」
ドタドタと足音を立てて逃げたジローちゃん。
フフ、知ってるんだよ景吾?
焼モチ焼いてくれてありがとう。
でもね、本当は嫌なんだろうけど本気でジローちゃんの事怒れないんだよね?
だって私と景吾2人してジローちゃんには頭上がらないんだよね。
感謝してるんだよね?
「フフフ。」
おもわず笑い声が漏れてしまった。
「・・・。」
「なーに?」
「お前も何笑ってるんだよ、ジローに膝枕しやがって。」
「だってぇージローちゃんにお願いされると何か断れないんだもん。」
「だってじゃねぇーよ、断れ。」
「いいじゃない?減るわけじゃないし・・・。」
「・・・減る。」
「もう、景吾ったら・・・。」
ちょっとご機嫌斜めさんかな?
再び私の膝の上に寝転んでる景吾の顔に手を添えて顔を近づけた。
「でも、こういうことするの景吾とだけだよ?」
「・・・当たり前だ。」
ご機嫌は直ったみたいだけど・・・・。
「まだ足りねぇー。」
景吾は起き上がって私を抱き寄せると深く口付けた。
「んっ。」
離れては触れ、触れては離れ重なり合う唇。
何分口付けしてただろう?
満足げの景吾の顔を見つめたら、私の大好きなあの楽しそうな嬉しそうな優しい笑顔がそこにあった。
コメント:
如何でしたか?今回は頑張ってちょっと長く書いてみました。
中途半端に最初の部分だけ書いてそのまま放置状態だったのを今ならこれ書けるかもと思い(笑)ひっぱり出して書いた次第です。
3連休に書き駄目とか思っていたのに結局出来ずじまい(トホホホォ〜)
まぁ、でも自分の中の公約は守ってこうやって週に一度のUPと相成りました。(良かった×2)
それにしても、うちのサイトは皆さんカウンターを見ているのか甚だ怪しい・・・。
誰も報告をしてくれなくてちょぃっと悲しい水月であります。
それともキリ番取っても、ここのサイトの文章なんてたかが知れてるからリクする意味無し!!とか思われているのか・・・?
(文才が無いのは、胸張って認めますけどね!!【笑】)
(2007/11/25.UP)