「ハァ・・・。」
溜息です。
もう何回目か解りません。
学校に行く事を考えると憂鬱でしょうがありません。
的には今日学校を休みたいです。
でも、鬼より怖いお母さんがそれを許してくる訳がありません。

まったくもって、どうしようぉ〜!!です。












今日は朝からブルー一色な気分です。

何故か?それは昨日の放課後に遡ります。
放課後の私の最大の楽しみの最中に、忍足君が教室に現れると言う緊急事態が起きました。
何もなければ喜び叫ぶ事態ですが、それが違うと言うのが難点です。
まさか忍足君に、妄想していた私が洩らした言葉を聞かれていた・・・・なんて思いもよらなんだ・・・。
そして言い訳らしい言い訳もせずに、すごい勢いで教室を出て帰宅してしまいました。

まぁ、ラッキーな事もありましたけども・・・。
忍足君に握られた左手は家に帰った後、嗅いでしまいました・・・・いや何も匂いしませんでしたけどね。
更に言うなればもちろん洗いませんでした!!
そこ!!汚いとか言わない様に!!
いいんです!!自分さえよければ何でも有りなんです!!

そして名前まで呼んでもらったりもしたし・・・う゛ふう゛ふふふ、無論いい夢見られましたよ?
て、そんな事を言っている場合では無〜い!!

あぁ、そんなこんなんしている内に学校が見えてまいりました。

忍足君を見たいですが、逢いたくはありません。
ですが無理な話です。
クラスが一緒ですから・・・。

お母さーーーーん、はどうしたらいいですかぁーーーーー?
無事に明日の朝日は拝めますか?

門を潜るのを躊躇してしまいます。
こんな所でウロチョロウロチョロしていると怪しいですね。
気合を入れるのも一苦労です。

「よし!!」

行くぞ!!!!前進あるのみ!!

さぁ勢いよく校門を潜ろうとしたら、思いっきり肩を掴まれました。
前に進めません・・・。
何だか嫌な予感がするのは私の気のせいでしょうか?

微かに漂ういい香り。
私はこの匂いを昨日の放課後に嗅ぎました・・・。
嬉しいんですが、冷や汗がでてきました。

いやそれよりも周りの女生徒から悲鳴が・・・怖いです。
色々とこの後が怖いです。
後ろを振り向かず、振り切って行きたいのですが・・・そうは問屋が卸してくれませんでした。

前に進もうとしているのですが、足がその場で地団駄を踏んでます。
お母さん、前に進めません。

「お・は・よ・う・さ・ん。」

ま・また・またまたまた耳元であのセクスィーボイスが・・・。
の脳天直撃です!!
こんな耳元でしゃべられたら、聞こえません!!と言っても通じる訳・・・ありません。
って言うか・・・昇天しちゃいますよ!!
と・吐息が・・・。

ちゃ〜ん。」

あぁ、私は一体どうしたらいいんでしょうか?
周りの女生徒からは、痛い視線が・・・。

真後ろからはとっても嬉しい事態ですがでも、ここで会ったが百年目・・・いや別に恨みも辛みもありませんが、非常に困る相手です。

「あ・あの・・・放して欲しいのですが・・・・?」
「アカン、そんな事したら昨日みたいに逃げるやろ?」
「い・いえ決してそんな事は・・・。」

バ・レ・テ・マ・ス。

「と・取りあえず、回りの視線が痛いので解放してくださると大変に嬉しいのですが・・・・。」
「絶対に逃げん?」
「・・はい。」

思ったのですが、逃げる何て無理な話です。
足の速さが違うのですぐに捕まるのは分かりきってる事ですし。
第一クラスが一緒なのに逃げても無意味なんですよね。
あぁ、でもまさかこんな早くに出会うとは・・・・。

「逃げたらアカンよ?」
そう言うと忍足君は肩から手を外しくださいました。

「お・忍足君は私に何用ですか?」
「用は無いで?でも同じクラスなんやから一緒に教室まで行ってもええやろ?」

昨日から忍足君に急接近ですよ!!
どうしたんでしょうか一体?

私にとって忍足君とお近づきになれるのは、非常に喜ばしい事ですが・・・何か悪の陰謀でもあるのでしょうか?
右か?左か?背後か?背後に居るのか!?
後ろを取られたらお終いです。
後ろを振り返って確認。

「どうかしたん?」
「いえ、後ろを取られたらお終いなので・・・。」
「何がお終いなん?」
「・・・・ハッ!!イェイェ何でもないです。」

忍足君が横にいるのも忘れ、思わず自分の妄想世界に入ってしまいました。
イケマセン!!現実世界をしっかり見ろ!!

「なぁ・・・。」
「はい?」
「自分・・・、よく変って言われん?」
「・・・・!!」

そう言えば思い出しました。
私は昨日から忍足君にオカシイと思われている言語を発している事に・・・。

ピッチピッチの14歳。
只今青春乙女街道まっしぐら・花の中学3年生。
特技:妄想・趣味:妄想。
只今ちょっとピンチです。テヘ///。

いや照れている場合ではないですね。

それよりもどうして忍足君は私にかまうのでしょうか?

「あ・あの〜忍足君・・・・。」
「ん?」
「ど・どうして、あの、急に私に話しかけてきたりするんですか?・・・私の記憶が確かならばほぼしゃべった事など無い程、仲がよろしくなかった筈なのですが・・・。」
「クラスメートと仲ようしたいと思うのはイケナイ事なん?」
「いえ別にそう言う意味で聞いたのでは・・・・。」
「じゃぁええやん、仲よぉしようやちゃん。」
「ハァ。」

本当に一体全体どういう事なんでしょう?
あれですか?忍足君は実は私の事が好きで絡んでくるんですか?(←その通り)
好きだから仲良くなりたいってやつですか?
そうだったらば、涎垂れ流しで喜びますがそんなに世の中上手い具合には出来てません。
私は居たってそこら辺に居る普通の女子中学生です。
忍足君の様なカッコイイ人に惚れてもらう程の子では無いですから。
それならば何故?忍足君は私に絡んでくるのか・・・?
あれですか?オカシイ子だから暇つぶしにからかう為ですか?
あぁ、何て可哀想な
構ってくれるのは嬉しいですが、暇つぶしにからかわれるのは悲しいです。
仲良くはなりたいですが、後々辛い思いをするのは自分です。
どうしたもんでしょう・・・。
あぁ、それに今、一番重要な事を思い出しましたよ。
私は今日一日無事に過ごせるんでしょうか?
さっきの痛い程の女子達の視線・・・。
怖いです・恐ろしいです。
お母さん・・・は今日、夜空のお星様になってしまうかも知れません。
そしたら毎夜、星空を見ながらを思い出して下さい。
あまり親孝行をしなくて、すいません。
こんな事ならもっとお手伝いとかしておくべきでしたね。
先立つ不幸をお許し下さい。

「ぐすっ。」
涙が出てきちゃいましたよ。


「な゛っ、ちゃん?どないしたん?」
忍足君が吃驚ですよ。
「い゛え゛、な゛ん゛でぼあ゛り゛ま゛せん。」
「俺と一緒に居るの嫌なん?」
「ぢがいます・・・。」
「なら・・・どっか痛いん?」
「いえ、先立つ事を考えたら・・・。」
ちゃん、何か悪い病気なん?」
「ぐすっ。」

ちゃん・・・。」
ぎゅっ。

え゛!!何故に私は忍足君に抱きしめられてるんですか?
ここは廊下です。(いつの間にかそこまで進んでましたw。)
周りに人は沢山居ます。
痛い程の視線が・・・。

今日一日の事を考えるとよけいに涙が出てきます。

ちゃん。」

更に泣き出した私を強く抱きしめなおす忍足君。
身体が痛いです・・・。
視線が痛いです・・・。

お母さん・・・。
は本当に今日、夜空のお星様になりそうです。